Web3の世界でよく目にする「ウォレット接続」という言葉について解説します。
「“接続”ってログインとどう違うの?」「パスワードもないのに安全なの?」
そんな疑問を持っている方に向けて、DApps(分散型アプリ)とウォレットの関係をやさしく説明していきます。
「ウォレット接続」ってどういうこと?
Web3のサービスを使うとき、多くの場合「ウォレットを接続してください」という画面が出てきます。
この“接続”とは、
「あなたのウォレットが誰のものかを、そのサービス側に知らせる」 という意味合いです。
メールアドレスやパスワードではなく、ウォレットアドレス(公開鍵)があなたの“ログインID”のような役割を果たします。
従来の「ログイン」との違いは?
一般的なWeb2サービス(SNSや通販サイトなど)との違いは、次のようなポイントにあります:
- ID・パスワードが不要:記憶する情報がなく、代わりに秘密鍵による“署名”で認証する
- ユーザー情報を運営が管理しない:名前やメールなどの個人情報を登録する必要がない
- いつでも切断できる:接続を解除すれば、そのサービスと自分の情報が切り離される
つまり、「サービスに情報を預ける」のではなく、「自分で情報を持ったまま一時的に接続する」 というイメージです。
接続しただけで資産が盗まれる?
よく聞く不安として「接続しただけで勝手に資産が抜かれたらどうしよう…」というものがあります。
ここで重要なのは、
ウォレット接続=資産へのアクセス許可 ではない という点です。
ウォレット接続とはあくまで「あなたが誰かを識別する」行為であり、 資産の送金やNFTの操作を行うには、必ず追加で“署名”というアクションが必要です。ただし、怪しいDAppsは、署名を通じて不正な操作を仕掛けてくる場合もあるので、 「何に署名しているか」をきちんと確認することがとても大切です。
ウォレット接続でできること
ウォレットを接続すると、以下のようなことが可能になります:
- 自分のNFTや仮想通貨の保有状況をサービス上で確認できる
- 所有者限定の機能(イベント参加、限定アイテム購入など)にアクセスできる
- DAOでの投票や提案が可能になる
- DAppsのプレイやデータ保存がウォレット単位で行われる
接続したからといってすぐに何かが起きるわけではありませんが、 Web3サービスの入り口として必要なステップなのです。
まとめ
「ログイン」ではなく「一時的な鍵の提示」
ウォレット接続とは、
「あなた自身がどんなデータを持っているかを証明する入り口」 であり、従来のアカウントログインとは違う性質を持っています。
Web3では、情報は自分で管理し、必要なときだけ最小限のアクセスを許可する。 そんな“自律的な使い方”が基本となるのです。
次回は、そのウォレット接続が活かされる場面のひとつとして、「メタバースで土地を買う」ってどういうこと?というテーマに進んでいきます。