Web3という「中央に管理者がいない世界」で、どうやって“信用”を得ていくかというテーマでお話しします。
現実世界では、会社に所属していることや資格、実績などが信用の元になりますよね。 でも、Web3ではそういった肩書きがあまり意味を持たない場面も多く、
「誰かに信用される」ことそのものが難しい世界 とも言えます。
この記事では、中央管理がない分散型の世界で、信頼されるために必要な視点とアプローチを、もう少し掘り下げてご紹介します。
Web3における“信用”ってどんなもの?
Web3では、伝統的な意味での「信用」よりも、
行動・貢献・透明性の積み重ねによって形成される信頼感 が重視されます。
たとえば:
- DAOでの継続的な参加や発言
- コミュニティ運営の補助やタスクへの協力
- GitHubやX(旧Twitter)での活動の記録
- 過去に関わったプロジェクトやNFTの保有履歴
つまり、“何を言ったか”よりも、“何をしてきたか”が重要になるわけです。
信用は「行動の記録」から生まれる
Web3の世界では、中央の管理者がいない分、信頼の仕組みも分散されています。その中で評価の対象になるのは、
- オンチェーン履歴(NFTの購入履歴、投票履歴など)
- Discordなどのロールや称号(貢献者にだけ与えられる役職)
- 証明NFTやバッジ(イベント参加やスキル証明など)
- 他のユーザーからの“評判”や推薦(紹介制のコミュニティも)
これらはすべて、後から誰でも確認できる「信頼の足跡」として機能します。
たとえば、とあるDAOでは、無名だったユーザーが半年間の積極的な発言や提案を重ねるうちに、コミュニティ運営メンバーに招かれた──そんな事例も珍しくありません。
信頼されるための3つの意識
Web3において信頼を得たいなら、次の3つの視点を意識すると良いでしょう:
1. 継続的に関わること
一度の発言や投稿で信頼されることはありません。時間をかけて、コツコツと活動を積み上げることが重要です。
2. 透明性を持つこと
匿名でもOKなWeb3の世界だからこそ、「なぜこの活動をしているのか」「どんな価値観で動いているのか」を開示する姿勢が信頼につながります。
3. 成果や記録を“見える化”すること
行動履歴は自分で整理・発信しておくことが大切です。Xで活動記録を残したり、自分のウォレットのNFT保有履歴を公開したりと、見える成果を増やしましょう。
落とし穴もある!?
「信用されているように見せる」リスク
信頼は可視化される一方で、逆に“それっぽく見せる”ことも可能です。
- 自作自演でNFTを売買して履歴を作る
- 見た目だけのロールを買う
- 別人の実績を借りてなりすます
こうした動きもあるため、「見える履歴」だけで判断するのではなく、実際の言動との一貫性や、周囲との関係性も見ていくことが大切です。
信頼を「作る」ことはできても、「ごまかす」ことはすぐバレる── そんな世界でもあります。
まとめ
「行動があなたの名刺になる」世界
Web3の世界では、
名前や経歴よりも、“何をしてきたか”が最も信頼される材料 になります。
ブロックチェーンやSNSでの活動は履歴として残るため、発言や貢献が自分の「名刺」になります。
時間はかかりますが、地道に積み重ねることで、会社や肩書きがなくても、信頼される“あなた自身”としてWeb3で活躍していけるようになります。
次回は、“信頼を積み重ねる世界”だからこそ気をつけたい、ハッキングや詐欺のリスクについてお話しします。信頼がある世界にも、落とし穴はあるんです。